セラミックス粒子のサイズ、形状制御
セラミックス粒子の大きさ、形を自由にコントロールする。
セラミックスは、粉の状態や繊維状、膜にした状態、粉を焼き固めた状態など、様々な形で使用されますが、その原料として粒子を用いる場合が多くあります。
現在、その原料となる粒子材料の大きさや、形を厳密に制御するための研究を行っています。従来までも原料粒子の大きさや形はある程度よく揃ったものが用いられていたのですが、さらに精密に大きさや形を整え、原料として理想的な材料を作ることを目的としています。図は、チタニア(酸化チタン)粒子の形をコントロールしたものです。チタニアは、液相下において合成条件を変えることにより、様々な形状にコントロールすることが可能です。
きちんと作った粒子を使って、セラミックスをきちんと創りあげる。
形や大きさを精密にコントロールした原料を使えば、その粒子を用いて作ったセラミックスの焼結体も、原料の形を反映した整った構造をもつと考えられます。現在我々の研究室では、その考えをさらに発展させて、原料の粒子を作る段階から最終的な焼き物の微構造をきちんと設計しようという試みを行っています。たとえば右の図のように、粒子の大きさ、形がきちんとそろった原料粒子をまず合成し、その上に均一に金属粒子を分散して析出させてやります。このような粒子を上手に焼き上げてやると、従来には得られないほどのきちんとした微構造をもつセラミックスと金属の複合材料が作製出来ると期待されます。この手法で自由にセラミックスの構造や機能までもコントロールすることが出来るようになれば、セラミックスの用途はますます広がるものと期待されます。
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