参加費:講演会は無料(どなたでも参加できます)
懇親会 3,000円(当日申し受けます,担当者まで予約をして戴けると幸いです)
「21世紀の環境問題を抱え,実用的で工業化にも耐えうる触媒開発は極めて重要な研究課題である。しかしながら,現在の触媒開発では,目標とする触媒活性を達成するまでに,多大な労力と時間を要している。我々の研究室では,コンビナトリアルケミストリーの手法を取り入れ,固相担体上に触媒のライブラリーを構築し,迅速な触媒探索を達成してきた。講演では,1)円二色性迅速解析システムを用いる新規不斉触媒の開発と,2)有機-無機ハイブリッドポリマー触媒の開発を紹介する。特に,有機-無機ハイブリッドポリマー触媒の研究では,磁性ナノビーズを用いる触媒の磁気分離技術も併せて紹介する。」2. 「XAFSによる固体照明用蛍光体の解析」
「固体照明とは,LEDを励起源として蛍光体を発光させ白色光を得る照明方式である。この方式は白色LEDとも呼ばれ,従来に比べ低消費電力,水銀フリー等の特長があることから,次世代の照明方式として期待されている。我々は近年青色LEDで励起される新規の酸化物緑色蛍光体Ca3Sc2Si3O12:Ceを開発した。本蛍光体は,室温付近の温度消光が小さい等白色LEDの色変換蛍光体として有望な特長を有しており,現在更に改良が進められている。これまで母材の結晶構造は解明されたものの,添加元素であるCeの母材結晶中での置換位置や電子状態(価数)は良くわかっていなかった。これらの情報は,今後蛍光体の特性を更に改良していくうえで極めて重要である。そこで我々は,結晶中の添加元素解析に有力なX線吸収分光法(XAFS)を本蛍光体中のCeの解析に適用した。その結果,Ceは3価で置換位置はCaサイトであることが明らかになった。」3. 「Ni2P脱硫触媒- UHV表面科学的アプローチ および高圧実触媒条件解析」
「Ni2Pは高い脱硫活性を示す。STMやPEEMを用いてNi2P単結晶表面の観測を行った。Ni2P表面はNi3P2構造とNi3P構造の2種類が存在し,従来はNi3P2構造のみ安定であると言われていた。原子レベルでNi2PのSTM構造を観測することに成功し,リン原子のみがSTMで観測されることを明らかにした。さらにこれまでは存在しないといわれていた活性表面であるNi3P構造も存在することをみいだした。こうした超高真空の研究をもとに,さらに高温高圧条件下のモデルオイル中における脱硫触媒反応をin-situ XAFSで追跡し,その活性構造を見いだすと共に,QXAFSによりその構造変化を調べた。高温高圧モデルオイル中のin-situ測定のために,ダイアモンドに次ぐかたさを持つc-BN窓を用いたセルを作った。反応を追跡するために,1スペクトルを数秒で測定できる新しいビームラインをPF-ARのNW10Aに建設した。その結果,反応中にNi-S結合を観測し,これが新たな活性点として働くという新しいメカニズムを提案した。」4. 「新規2元機能型触媒によるニトリル類の水和反応」
「ニトリルの水和によるアミド製造方法は,工業的に重要な触媒プロセスであり,現在では主に酵素法で工業生産が実施されている。しかし,酵素法であるが故に,経済性を追求したさらなる高濃度反応には限界がある。これに対して錯体触媒法は原理的に優れた点をもつが,その効率の低さから実用化には至っていない。
我々は,ルテニウムにジフェニル-2-ピリジルホスフィンが配位したcis-Ru(acac)2(PPh2py)2がニトリル水和用の高活性2元機能型触媒として働くことを報告した。その活性は180℃においてTOF=20900 h-1に達するが,100℃以下ではほとんど活性を示さない。
そこで100℃以下での触媒反応を実現するために新規イリジウム錯体を設計した。この錯体は100℃以下でも水和反応を触媒し,芳香族や脂肪族のアミド,さらにはビタミンB3の構成成分であるニコチンアミドを収率100%で合成することができた。」
以下をコピーし,メール送信ファイルに貼り付けて,必要事項をご記入の上,5月12日(月)までに下記連絡先へお申し込み下さい。 なお送信メールのタイトルは「千葉地区触媒講演会参加申し込み」としていただけると助かります。
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「千葉地区触媒講演会」
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