2010/04/28

セリアプロジェクト 2010年度計画
「参照触媒セリア担持金属触媒:セリアの担体効果」


 4年目を迎えた2010年度セリアプロジェクトでは、担持金属触媒におけるセリア担体の利用に関する調査を募集いたします。プロジェクト参加を希望される方は担当者までお知らせ下さい。

 セリアプロジェクトは、2010年度も継続し、「担持金属触媒におけるセリア担体の利用」に特化した調査を行います。上記の(1)(2)のセリア単独の物性・触媒活性については扱いません。参照触媒4種のセリア間での比較に加えて、他の担体(Al2O3, ZrO2, SiO2, TiO2, carbon etc.)と比較することにより、セリア特有の性質(面白さ・難しさ)についても討論したい。セリア間の比較では、触媒活性あるいは物理化学的な特性が、セリアの比表面積、つまり金属の粒子径(とみなせる?)のみに依存するのか、他のパラメーターがあるのかを討論する。この点に関しては、単純に比表面積に依存することが明らかになれば、それはそれでよしとする。参加者の得意とする反応の種類や反応温度が異なるのでCeO2を理解する上で重要なデータを取得できると期待する。最終的なアウトプットはそれぞれのグループに任せることとして、プロジェクトの延長期間を2年とする。

昨年度までの活動
 2005年12月より参照触媒酸化セリウム3種類(JRC-CEO1, JRC-CEO2, JRC-CEO3)の配布を行ってきました。2007年度、酸化セリウムプロジェクトをスタートさせ、2008度より気相法で作成された酸化セリウム(JRC-CEO4)を新たに配布試料に加え、これまでの3試料とともに触媒および触媒担体としての物性を評価しました。第28回(2007年秋)、第29回および第30回(2009年秋)の討論会では、酸化セリウムの物性・触媒反応全般について、広く興味深い酸化セリウムに関する実験結果の収集を目的としたプロジェクトを展開し、セリアの熱処理過程における構造・物性の違いや触媒機能など興味深い報告がされています。
 3年目の2009年度プロジェクトにおいて下記の3つの項目についてまとめ、酸化セリウムの物性・触媒作用については、第105回触媒討論会(京都)でプロジェクトの成果(1A03(B2))を報告しました。
(1)参照触媒 酸化セリウムの物性OSCの評価を含む)
(2)参照触媒 酸化セリウムを用いた触媒反応
(3)参照触媒 酸化セリウムを担体に用いた担持金属触媒による触媒反応


2010年度参照触媒討論会開催日程について
第31回参照触媒討論会は、触媒討論会最終日の翌日9/19(日)に開催予定です。


プロジェクトに関わるデータの帰属について
プロジェクトに関わるデータは、基本的に実験者に帰属するものとし、論文等での発表は実験者の判断によるものとします。発表後に参照触媒部会プロジェクト担当者までお知らせ下さい。

プロジェクト担当
大分大学 永岡勝俊
千葉大学 佐藤智司
筑波大学 冨重圭一


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