2011/05/18

セリアプロジェクト 2011年度計画
「担持金属触媒におけるセリアの担体効果」


 5年目を迎えた2011年度セリアプロジェクトでは、担持金属触媒におけるセリアの担体効果に関する調査を募集いたしました。セリアプロジェクトは、2011年度も継続し、「担持金属触媒におけるセリアの担体効果」に特化した調査を行い、本年を最終年度とします。

昨年度までの経緯(2010年度)
検討事項
 1.参照触媒4種のセリア間での比較
 2.他の担体との比較
わかったこと
 セリアが特異的な担体効果を示す反応と,そうでない反応がある
 CeO2特有の性質としてSMSIが面白い
問題点
 検討した参照触媒CeO2の種類,金属の種類が異なり,統一的な見解は出ていない

最終年度(2011年度)のプロジェクト方針
課 題
 (1)SMSIの有無が種々の反応でどのような影響を示すのか
 (2)それはなぜなのかキャラクタリゼーションで解明

統一条件
 金 属: Pd, Ruに限定
 担 体: JRC-CEO-3を600℃で予備焼成した後に使う(マッフル炉で、600℃まで3℃/minで昇温し、5hキープ)
 担持量: 1wt% (キャラクタリゼーションの都合)
触媒調製担当者:名古屋大 薩摩 (Pd/CeO2),大分大 永岡(Ru/CeO2)
         →それぞれ粉体を提供
修正前) in situ 前処理:還元温度は400℃(SMSI無し)と600℃(SMSI有り)。
修正後) in situ 前処理:還元温度は400℃(SMSI無し)と700℃(SMSI有り)。 2011.06.16修正
         →各自で室温から100%のH2流通下で昇温し、これらの温度で1hキープしてから使用

実施項目
 共通触媒を試験する.
 各自の興味に従い種々の反応での活性挙動を理解.
 ・メタンの水蒸気改質,電場改質(早稲田大学 関根泰)
 ・プロパン燃焼(名古屋大学 薩摩篤)
 ・アンモニア分解,n-ブタン酸化改質の常温駆動(大分大学 永岡勝俊)
 ・CO酸化(名古屋工業大学 羽田政明)
 ・トルエンの水素化(埼玉大学 三浦弘)
 ・分子内環化脱水素によるインドール合成反応, 芳香族C-H結合の直接アリール化反応(京都大学 和田健司)

 各自の興味に従い種々のキャラクタリゼーションを行い、触媒の物性を理解.
 ・BET(名古屋大学 薩摩篤)
 ・50℃での酸素吸収量測定(大分大学 永岡勝俊)
 ・吸着CO種のFT-IR観察(名古屋工業大学 羽田政明)
 ・(CO化学吸着(埼玉大学 三浦弘))
 ・H2-TPR, CO2-TPD (東京大学 小倉賢)
 ・NH3-TPD (鳥取大学 片田直伸)
 ・XAFS (島根大学 久保田岳志)
 ・CO化学吸着(CO-pulse, (IR 測定))(北海道大学 竹口竜弥)
 ・DRIFT;酸化状態でのRu=O種の有無の確認, H2-TPR(京都大学 和田健司)

参照触媒討論会(in北見)では、各グループの発表(それぞれ10min)の後に、総合議論を行う(30min).


2011年度参照触媒討論会開催日程について
第32回参照触媒討論会は、触媒討論会の前日9/19(月)に開催予定です。


プロジェクトに関わるデータの帰属について
プロジェクトに関わるデータは、基本的に実験者に帰属するものとし、論文等での発表は実験者の判断によるものとします。発表後に参照触媒部会プロジェクト担当者までお知らせ下さい。

プロジェクト担当
大分大学 永岡勝俊
名古屋大学 薩摩篤


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