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計測化学研究室

http://chem.tf.chiba-u.jp/gacb11
fujinami nomoto  
藤浪 真紀 教授
(工学系総合研究棟2階)
野本 知理 助教
(工学系総合研究棟2階)
 

研究内容

科学・技術がどんなに進んでも,物質の世界は不思議なこと面白いことだらけです。一方で人のDNA配列がすべて解読できたのも,河川等の環境水の汚染や食品添加物の種類がわかるのも,半導体デバイスの不良品がほとんどないのも,高性能・高品質の素材を生産できるのも,物質をとことん調べる分析化学の発展のおかげです。World War II以降の日本の高度経済成長は,この「分析力」の高さによるもので,今後もその果たす役割は大きいでしょう。大会社で分析化学部門がない会社はないことがその証拠です。また,分析化学の発展は従来見えていないものが見えるようにすることであり,それで導かれる物質情報によって初めて,新たな科学・技術の発展がなされるわけです。その使命の中で我々は,溶液中の界面(液固,液液),細胞膜,原子空孔に注目して,それに資するための原子・分子を検出する大リーグボールを開発し,それらの科学を語り合っていきたいと思っています。

  1. レーザー分光による局所分析と細胞膜モデル形成

    高強度・コヒーレントな単色のレーザー光を用いて,固体表面,固体・液体界面,液液界面,細胞膜モデルの高感度分子計測を開発します。可視光でも分子に吸収されると,温度でいうと1万度くらいのエネルギーに相当します。分子が光を吸収した後エネルギーを緩和する際に発生する熱を検出する光熱変換分光法,金属探針を利用して数十nm領域だけを励起する近接場光学顕微鏡,液体と液体の界面に発生する界面張力波を検出する準弾性散乱法など,多彩なレーザー応用を展開しています。また,細胞膜を人工的に再構成(ベシクルといいます)することで,実際の細胞膜で起きている現象のモデルをつくり計測しています。さあ,油と水の境界や細胞膜に局在する分子を,あなたはどうやって測定しますか?


  2. 陽電子顕微鏡の開発と陽電子プローブによる空孔検出

    電子の反粒子で電荷が正の陽電子は,固体中の空孔(原子がないところ)を選択的に探し出し,そのサイズや量に関する情報を与えてくれます。物(原子)が無いことを証明するのって以外と難しいですよ。いくらエネルギーを与えても無ければ何も出てこないし,電話に人がでなかったからといってその人がいないということにはなりませんよね。そこで,陽電子といった摩訶不思議な粒子を使うのです。その陽電子を,電子顕微鏡のようにミクロン以下のサイズまで縮小した「陽電子顕微鏡」を科学技術振興機構(JST)の支援を受けて開発しています。陽電子プローブマイクロアナライザーによる空孔の二次元分布計測法や透過型陽電子顕微鏡の開発により,電子とはまた異なる物質情報を引き出すことができるか挑戦しています。