iGEMのルール


(2006年執筆)

参加校

9月現在、37校が参加表明しています。本年は、我々アジア勢に加え,南アフリカ,トルコ,南アメリカ連合なども参加。これで名実ともに世界大会と呼ぶ ことができるようになりました!


iGEM2006競則

ルールらしきルールはないのですが、以下が私たちに本部から「求められ」ています。

●5月のTeachers' Meetingに出席すること
●学部生を中心としたメンバーであること。大学院生は居てもよいけれども、主力であってはならない。
●生物専攻の学生があまり多すぎるのは望ましくない。
●iGEMのフォーマットで実験をすすめること。プロジェクトはリアルタイムで公開すること。
●作ったパーツやロボット、iGEMセンターにデポジットすること。


サポートプログラム

研究経験のない私たち学生が、たった2〜3ヶ月でまとまった成果を出すのは簡単なことではありません。 それでも、相当なことができるよう、iGEMセンターが私たちの活動を様々な方法でバックアップしてくれています。以下、代表的なものを紹介します。

Biobrick System

BioBrick どのチームも、頻繁に、複数の遺伝子の組み立て作業を行います。この組み立て作業がもっとも骨が折れる作業。この組み立て工程を効率化、標準化のため に、iGEMはBioBrickフォーマットを提案しています。私たちは遺伝子パーツを全てBioBrick形式で作成します。Biobrick形式でつくられた遺伝子パーツは、どのチームのプロジェクトにも、そのまま流用できます。また組み立て工程が規格化/標準化されているために、実験上の苦労も少なくてすみます(MITはこの工程をロボットにやらせています)。 5月には、制作済みのBioBrick700個が参加校に無償で配られました。この中には私たちがつかいそうな遺伝子パーツが沢山詰まっています。それぞれの機能,遺伝子配列、使用上の注意などの情報は、iGEMのWIKI内で直接得ることが出来ます。iGEM参加者は、次の使用者の助けとなるよう、使用したパーツについての経験的知識やデータを記入します。そしてiGEM CHIBAが2006に創ったBioBricksは、iGEM2007の参加者に配られることになります。

Wiki

iGEM では、全てのチームのプロジェクトの進捗状況がガラス張りです。アイデア、プラン、いまの実験の進み具合.....全てが仲間に「ばれている」。秘密などひとつもありません。コンペでありながら、しかし、お互いの経験を持ち合い、iGEM全体としての生産性をたかめようとしています。私たちも、日々の活動をiGEM WIKI内に報告することが求められています。 そもそも情報系の人たちによって呼びかけられたiGEM。ソフトウエア開発におけるオープンソースに近い考え方ともいえるかもしれません。実験科学特有のセクト主義/秘密主義を軽減できれば、生物工学はIT技術に匹敵するはやさで進化するに違いない。それを実証するのがiGEMの参加者たちなのです。

Ambassador Program

経験、知識、予算、時間.....ないない尽くしのiGEM。しかもその全活動が、課外(正規授業の空き時間の活動)です。iGEM2005に参加したチームは全て、少なからずチームマネージメントに失敗し、尻切れとんぼの発表しかできないところのほうが多かったようです。 2006 から新しく始まったAmbassador Programでは、iGEM2005の経験者が本年出場校(とくに初出場校)の世話役となり、自身2005の苦い経験から学んだノウハウ(「ああすればよかった」「こうしておくべきだった」など)を伝え、私たちができる限り建設的で効率的なiGEM経験ができるようにお世話してくれます。 私たちのチームのAmbassadorは、Reshma ShettyというMITの大学院生。彼女はiGEM CHIBAの全学生とeメールで繋がっており、日々、いろいろなアドバイスをくれています。8月2−4日には千葉大学を来訪し、私たちと直に討論しました(Reshma Night)。 ちなみに来年は千葉も経験校のひとつ。アジア地区を世話するAmbassadorを出してくれと強く求められています。