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(共生8)エネルギー変換材料化学研究室

http://chem.tf.chiba-u.jp/gacb08/
karatsu taniguchi aoki    
唐津 孝 教授
(工学部4号棟305号室)
谷口 竜王 教授
(工学部4号棟307号室)
青木 大輔 准教授
(工学部4号棟313号室)
 

研究内容

  1. 有機金属錯体や低分子からなる発光・ホスト材料の合成と有機ELデバイスへの応用(唐津)

    赤色、緑色、青色有機ELデバイス

    有機エレクトロルミネセンス(有機ELまたはOLED)材料として有用な発光材料やホスト材料を合成し,デバイスを作製し評価します。発光効率の高いりん光型発光材料であるイリジウム錯体を中心に研究し、さらに効率的に青色けい光を示すアントラセン誘導体の合成や、錯体を効率的に発光させるためのホスト材料の開発も行っています。

  2. イリジウム錯体の光異性化挙動の解明(唐津)

    提案される光異性化機構

    イリジウム錯体に光を照射することによって生じる、幾何(meridional-facial体)および光学(D-L体)異性化機構についての調査を行っています。光照射によって生成する励起状態からの反応機構を解明することによって、有機EL材料として用いた際の電荷が再結合してできる励起状態からの失活過程の制御に役立つと考えています。また,熱に弱い配位子からは発光性の乏しいmeridional体しか合成できないため,これを光異性化させ高効率な発光を示すfacial体へ異性化させることでイリジウム錯体合成へ応用します。


  3. フォトポリマーや光開始剤の開発とそれらの反応機構の解明(唐津)

    フォトポリマーとは、半導体の回路作製用レジスト、印刷版やUVインキとして重要な感光性材料です。特に最近は液晶ディスプレイ用カラーフィルターやブラックマトリックスの製造に用いられています。当研究室では、増感色素とラジカル発生部位を連結させた、高性能の開始剤を開発しています。また、素早く硬化し、現像性の良い樹脂の研究も行っています。

  4. 高分子微粒子の合成とコロイド特性の評価(谷口)


    J. Colloid Interface Sci., 2008, 327, 58
    Colloids Surf. A: Physicochem. Eng. Aspects, 2010, 356, 169
    Macromolecules, 2012, 45, 9435
    Colloids Surf. A: Physicochem. Eng. Aspects, 2015, 482, 68

    高分子微粒子の合成には、乳化重合、分散重合、シード重合、懸濁重合など種々の手法があります。粒径などのコロイド特性は、これらの合成方法を適切に選択することによって制御することができます。界面化学的観点から高分子微粒子合成法の開発を行っています。


  5. リビングラジカル重合による固体材料の表面修飾(谷口)


    Colloids Surf. B: Biointerf., 2009, 71, 194 
    Colloids Surf. A: Physicochem. Eng. Aspects, 2010, 369, 240 
    J. Polym. Sci. A Polym. Chem., 2013, 51, 4042 [Selected as an Inside Front Cover]
    Polymer, 2014, 55, 5080

    固体表面に性質の異なる高分子鎖がブラシ状に生えた(graft)材料は、様々な工業材料への応用が期待されています。分子量および分子量分布を制御することができるリビングラジカル重合によるgrafting-from法により、バイオメディカル分野などに応用可能なコア–シェル粒子を合成しています。


  6. 有機/無機複合材料の調製(谷口)


    J. Colloid Interface Sci., 2010, 347, 62
    Colloids Surf. A: Physicochem. Eng. Aspects, 2011, 377, 63
    J. Colloid Interface Sci., 2012, 368, 107
    J. Colloid Sci. Biotechnol., 2014, 3, 68

    代表的な有機材料である高分子と無機材料とを複合化させることができれば、機械的強度を向上させることができるだけでなく、電場や磁場などの外場の変化に応答する材料を創製することが可能になります。触媒機能を有する高分子材料を用いて、ハイブリッド材料を開発しています。