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触媒化学研究室

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教授 島津 省吾
(工学部6号棟108号室)

教授 一國 伸之
(工学部6号棟112号室)
准教授 原 孝佳
(工学部6号棟108号室)

研究内容

  1. ホスト・ゲスト材料の設計と分子認識触媒への応用(島津)
    粘土鉱物層間内に構造規制能を有する新規な錯体を固定化

    粘土鉱物という層状の化合物に,有機金属錯体を固定し新たな触媒として活用しています。分子設計した錯体を粘土層間に組み込むと,層間隔をサブナノスケールで制御できるようになり,分子認識能性が飛躍的に向上し,均一系触媒を凌駕する選択性が発現します。合成した新規触媒を用いて,分子の右手・左手を作り分けることが可能となります。


  2. 卑金属ナノクラスター触媒の開発とダイナミック構造解析(一國)
    ナノクラスター化したNi粒子と水性ガスシフト反応(Niのサイズにより反応活性は大きく変化)

    金属原子を数nm以下のナノクラスターとすることで,バルクでは見られなかった新たな性質の発現が期待できます。卑金属元素をナノクラスター化し,新たな貴金属代替触媒として活用しています。また,XAFSという手法を駆使することで,反応中の触媒のダイナミックな構造変化を原子レベルで明らかにします。またナノ空間内へ,前遷移金属カーバイド触媒や光触媒を精密設計し,それぞれ白金代替触媒,炭化水素の選択光酸化反応へと応用しています。

  3. 粘土化合物の層間を柔軟な反応場とした新規固体触媒の開発と自然共生型物質変換への応用(原)
    Ni-Zn層間内という特異な反応場に導入されたPd2+種は反応前後で構造変化しないため分離・回収・再使用が可能で,酸素分子によるアルコール酸化反応に有効な固体触媒になります。

    無機結晶表面に,触媒活性を有する金属種を精密に設計することで新規な不均一系触媒を開発しています。得られた触媒は,究極の酸化剤である分子状酸素を利用したオレフィンからのエポキシド合成,アルコールからのカルボニル化合物の合成などの高難度酸化反応へと利用しています。さらに,これらの技術を応用することで,セルロースからバイオ燃料製造等の自然共生型物質変換プロセスの触媒開発も目指しています。