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表面電気化学研究室

http://chem.tf.chiba-u.jp/gacb13/
hoshi
nakamura
教授 星 永宏
(工学部4号棟411号室)
准教授 中村 将志
(工学部4号棟409号室)

研究内容

  1. 燃料電池反応を活性化する電極表面構造の探索(星,中村)

    電極触媒中のPt 量の削減が燃料電池普及の最重要課題です。この課題を解決するためには,電極触媒の活性を飛躍的に向上させる必要があります。電極表面の原子配列が異なると,反応活性は桁違いに変化します。当研究室では,表面構造を系統的に変化させられる単結晶電極(右図)を用いて,高活性な反応場の構造を原子レベルで明らかにし,Pt 使用量の少ない実用触媒の開発に重要な指針を提供し続けています。


  2. 実用化にむけた金属ナノ微粒子の構造制御 (中村,星)

    単結晶電極で得られた知見を電極触媒として実用化するには,高活性な表面構造だけが露出したナノ微粒子を作る必要があります。そのためには,ナノ微粒子の表面構造を原子レベルで規制する必要があります。右図は立方体型Pt ナノ粒子の電子顕微鏡像ですが,表面原子は正方形型に配列しています。ナノ微粒子の表面構造や粒子径などの制御を行い,従来の電極触媒と比べて飛躍的に高活性な電極触媒の開発に取り組んでいます。


  3. 表面構造と配向制御による色素増感太陽電池の変換効率向上 (星,中村)

    酸化チタン上に色素を吸着させて太陽光を電気に変換する色素増感太陽電池の光電変換効率は,色素の吸着配向に大きく依存します。酸化チタンの表面構造を原子レベルで規制することにより色素の配向を制御し,光電変換効率の飛躍的な向上を目指します。


  4. 電極表面の実構造の解明 (星・中村)

    (1)〜(3)の研究を遂行するためには,溶液中で電極表面の実構造を明らかにする必要があります。当研究室は,電極表面の実構造を分子・原子レベルでリアルタイムに観測するため,最先端の高速原子間力顕微鏡(AFM)・走査型トンネル顕微鏡(STM)・赤外反射分光器を所有しており,抜群の研究環境を整えています。また,大型放射光施設で表面X 線回折を測定することにより,未知の表面構造を次々に明らかにしています。