共生応用化学科HP >> 研究室 >> 資源反応工学研究室

資源反応工学研究室

http://chem.tf.chiba-u.jp/gacb14/
sato
sodesawa
 
教授 佐藤 智司
(工学部6号棟405号室)
助教 山田 泰弘
(工学部6号棟404号室)
 

研究内容

  1. 植物由来資源の有効利用(佐藤)
  2. バイオディーゼルなどの植物由来の燃料が地球温暖化防止の観点から注目を集めています。また、バイオマスの利用は物質に固定化された太陽光のエネルギー利用にほかなりません。しかし問題点も多く、たとえば、バイオディーゼル製造時にグリセリンが大量に副生し、その大部分が廃棄されているのが現状です。当研究室では、植物由来資源の有効利用をめざして、1例としてグリセリンを有用化合物への変換するための触媒研究を進めています(式1−3)。グリセリンを選択的にC3化合物へ変換できれば、既存の石油化学の枠にとらわれない新しい化学事業への展開が可能となります。

  3. 多価アルコールの触媒変換反応プロセス(佐藤)
  4. 効率的な物質変換プロセスは特定物質の生成経路を速度論的に選択できて初めて可能となります。ジオールは工業的に重要な高分子原料として生産されていますが、その用途が広がれば原料価値がさらに上がります。たとえば、ジオールの脱水反応では、種々の生成物を生み出す可能性があります。両末端に水酸基を有するα,ω-ジオールの脱水反応に希土類酸化物を用いると、片方の水酸基のみを脱水して不飽和アルコールを得ることができます。この反応は、数年前の千葉大学の卒業研究から発展したオリジナル技術です。

  5. 新規固体触媒材料の開発(佐藤・山田)
  6. 反応工学の核となる固体触媒は,無機固体上で特定の有機化学反応を選択的に進行させることで始めて触媒として機能し、価値が生まれます。ゼオライト、ヘテロポリ酸など結晶性物質が高い活性を持つことが知られていますが、従来の触媒材料にはアモルファス材料が多く用いられてきました。特定の結晶構造が特異な触媒作用を発現するので、ソフト化学的な方法で、明確な構造体または結晶構造物質を作製し、新規触媒材料としての可能性を探索します。特定の結晶構造が触媒機能を発現する理由の解明を通して、学術的な進展に貢献します。

  7. ナノカーボン材料の開発(佐藤・山田)
  8. カーボンナノチューブやグラフェンなどのナノカーボン材料は、触媒、触媒担体、吸着材料、電極材料、構造材料、放熱材料、電磁波吸収材料などへの応用が期待されています。ナノカーボン材料をこれらの応用へと展開するには、ナノカーボン材料の欠陥構造(官能基、空孔欠陥、Stone-Wales欠陥、Grain boundary等)を理解することが不可欠となります。そこで本研究室では、これらの欠陥構造を有するナノカーボン材料を調製し、解析し、さらには欠陥を除去する方法を提案し、様々なニーズに応えられるナノカーボン材料の基礎を築きます。