中止法は十分に注意しよう

 井上章先生の例をそのまま載せさせていただく。「刑事は血まみれになって逃げ出した犯人を追いかけた。」

血まみれになったのは、刑事なのだろうか、犯人なんだろうか。中止法を使うと、文も長くなる。文を分ければ短い文になるし、曖昧さがなくなる。この文を分けてみよう。「刑事が血まみれになった」として場合は、次のようになるかもしれない。

 「刑事は逃げ出した犯人を追いかけた。その時、刑事は血まみれになった。」 どうして血まみれになったのか書かなければならないような気がする。犯人が銃を撃ちながら逃亡したのか、抵抗したからなのか。これが論文だったら、書かなければならなかった事項に気づくこともあるだろう。

科学論文の例を一つあげる。「カルシアは仮焼して調製したチタン酸バリウムに添加された。」 仮焼されたのは、カルシアなのだろうか、チタン酸バリウムなのだろうか。

中止法は避けて、短い文にしよう。


悪文よ、さようなら

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