Kishikawa's

岸川圭希ホームページ
液晶化合物は、液晶状態でも、ある種の分子組織を持ち、分子集合体として振る舞います。左の写真は、液晶ディスプレイに使われている棒状分子の偏光顕微鏡写真(室温、倍率200倍)です。何も混ぜない状態では、無色の白濁したオイル状です。偏光板を通して見ると、虹のような色がついています。滑らかな曲線が特徴で、柔軟な分子組織を物語っています。

電界、磁界、圧力、温度、表面状態などに対し、分子の集合状態が大きく影響を受け、私たちにその変化を知らせてくれます。

 しかし、液晶は、ディスプレイだけではありません。
細胞膜もリン脂質という分子がならんで液晶状態をつくっており、神経繊維を取り囲むミエリンという物質も液晶物質です。生物が液晶状態を選んだのは、「組織化しやすく流動性があるという液晶の性質」を生命現象や生命活動が必要とするからです。
最近では、液晶分子が様々な分子集合状態をとることが判ってきており、記憶素子、発光素子や導電性材料、光学フィルムなど、いろいろな機能性材料への応用が期待されています。