研究紹介(一部)

l     ナノサイズの共晶構造をもつ材料の製造

 下の図左は、酸化イットリウムと酸化アルミニウムをアークにより溶融した後冷却することにより得られた“共晶組織”の走査型電子顕微鏡写真です。非常におもしろい特有な構造をしています。この微細な組織が高温でも強度の強い材料として期待されています。通常共晶組織はサブミクロンサイズで得られます。

 我が研究室では、アモルファス体から結晶化させることにより、ナノオーダーの非常に微細な組織を得る方法を開発しました。同倍率では、右に示すように組織がよく見えません。更に拡大したものが右上に示されています。ここでは、走査型電子顕微鏡で見える程度まで成長させたものを示しています。実際にはもっとずっと細かい組織が得られるのです。

          

           一般的な共晶組織の例(Y3Al5O12-Al2O3系)     我が研究室で考案した方法により得られた共晶組織

 我が国では、埋め立て地に限度があり、焼却灰を溶融して更なる減容化をはかっています。灰溶融炉は1300℃から1500℃といった高温で灰を溶融する施設です。高温のため耐火物の補修や燃料代にコストがかかります。ここでは、焼却灰全てを溶融しなくても、全てを溶融したのと同じだけに減容する方法を考案しました。溶融スラグ(焼却灰を一旦溶融したもの)と、溶融しない焼却灰を混合し、軽く圧縮しながら900℃くらいの温度で加熱する方法です。溶融スラグは900℃くらいで軟化します。混合物に圧力を加えながらこの温度に加熱すると、溶融スラグが軟化し、焼却灰の隙間に入り込みます。これにより、混合物が、溶融スラグと同じくらいの体積になるのです。

ピンク:溶融スラグ  青:焼却灰

 

 


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