研究内容
ここでは、我々の研究内容をわかりやすーく説明します。
おいしい果物を作るために農園では,接ぎ木(“つぎき”と読みます)という手法がおこなわれます。「寒冷地でも育つ幹木の枝をハサミで切っておいて,そこへおいしい果実のなる木の枝を取り付ける」手法です。これを化学の言葉に変換すると「丈夫で安価な高分子材料に電子線をあてて炭素と水素の結合を切っておいて,そこへバイオの分離や反応の役に立つ官能基を取り付ける」手法となります。これが電子線グラフト重合法による機能材料作りの仕組みです。“接ぎ木”を英語でいうとgraft(グラフト)です。
バイオマテリアル研究室のグラフト重合グループのほとんどすべてが企業との共同研究テーマです。“使える研究”を合い言葉に,実用化を意識して材料を設計します。そして,材料設計のキーポイントに出会った時点でサイエンスに挑戦します。自分の研究成果を是非とも社会に役立てたいという情熱とそのために地道な努力を惜しまない学生に,仲間に入ってほしいと思います。現在の研究テーマを挙げるとつぎのとおりです。
- 1 放射性物質 (ヨウ素,セシウム) 除去用ファイバーの開発
- 2 タンパク質を高速精製するポリマーブラシ搭載ビーズの開発
- 3 有害金属イオンを高速分離する固相抽出用多孔性シートの開発