退官記念会については左の▶同窓会便り>退官記念会をご覧下さい

 

2016.5.13 講演会の報告が届きました

   2016年5月13日(金)16:10から工学部4号棟319会議室において筑波大学 大学院数理物質科学研究科の西村 賢宣 准教授をお招きして「光化学反応で探る酸素ナノバブルの挙動」のタイトルでご講演いただきました。近年、農業や漁業など生物関連への応用で注目されている酸素ナノバブルについて、まず酸素ナノバブルについてのこれまで報告されている研究に基づいた概念を紹介いただき、次いでレーザー分光学の手法を用い、物理化学的見地から、酸素ナノバブルとは何か先生が研究された最新の実験結果および理論について,演示も交えて講演を行っていただきました。摩訶不思議な酸素ナノバブルの挙動に皆驚かされました。学生からも活発な質疑が行われ,知的に充実したひと時でした。(唐津)
   菘の会ではこの講演の協賛をさせていただきました。

西村先生講演 西村先生講演

 

 

2016.3.20 幸本先生退官記念会

幸本先生退官

 

   幸本重男教授は,29年間にわたり教育研究に多大な貢献をされてきましたが,本年3月末日をもって定年退官されました。先生の温厚なお人柄と穏やかな笑顔で困難な出来事にも救われたかたは大勢居ると思われます。本当に長い間ありがとうございました。
   記念祝賀会は,天候にも恵まれた3月20日(日)幕張のホテルオータニにて開かれ、約160名の卒業生と教職員が先生の門出を祝福しました。
   先生は4月からはグランドフェローとして留学生のお世話をして下さるそうです。今後の御活躍と御健勝をお祈り申し上げます。

 

 

 

 

 

 

2016.3.23に卒業式が、3.25に修了式が執り行われました

今年度は卒業生105名、修了生76名が巣立っていきました。なお、卒業生の8割以上が大学院に進学します。菘の会では修了生にささやかな記念品をお贈りしていています。卒業、修了された皆さん、おめでとうございます。みなさんのこれからの新生活でのご活躍を期待します。落ち着き先が決まったら同窓会に連絡先を届けて下さい。

2015shuuryousiki

共生応用化学科新入生オリエンテーリング 平成27年4月1,2日

 共生応用化学科では毎年、入学式前に斎藤教授が先頭に立って、新入生を率いて岩井海岸一泊の合宿旅行に行っています。(菘の会でも少し援助しています)今年も、総勢100人超でバス二台に分乗して行きました。合宿では坂本教授、藤浪教授、星教授や桑折准教授、そして大学院生からのありがたい大学生の心得などのお話があり、玉入れ、そして恩師・両親へのお礼状を書いたりしました。皆様、お疲れ様でした。

オリエンテーリング写真 

 

H27.3.23に卒業式が、3.25に修了式が執り行われました

105名が卒業、77名が博士課程前期修了、4名が博士課程後期修了となりました。菘の会では修了生にささやかな記念品をお贈りしていています。みなさん、これからの新生活でのご活躍を期待します。なお、卒業生の8割以上が大学院に進学します。

2015shuuryousiki

 

 

 

 

2015.1.19に開催の共生応用化学科コロキウムの協賛を行いました

講演者:Professor Dr. Valérie Alezra (バレリー アレズラ教授) (Institut de Chimie Moléculaire et des Matériaux d'Orsay (ICMMO), Université Paris-Sud, France)
  Valérie Alezra教授はフランスの若手女性有機化学者で、非天然型アミノ酸の不斉合成について優れた研究成果を上げています。今回の講演では、キラルメモリーやフローズンキラリティを利用したアミノ酸の不斉合成と、ジアミノ酸由来のペプチドの構造特性についてお話し頂くことができました。学科の教員、学生のみならず、他学部の方々にもご参加いただきました。
講演題目:Non Proteinogenic Amino Acids: Synthesis and Applications
日時:2015年1月19日(月)16:00〜17:30
場所:千葉大学工学部4号棟319会議室

Dr.Alezra


2014.10.27に開催の共生応用化学科コロキウムの協賛を行いました

講演者:Professor Dr. Josef Michl (ジョセフ ミックル教授)
(Department of Chemistry and Biochemistry, University of Colorado at Boulder, USA)
  Josef Michl教授はChemical Review誌のチーフエディターを務められており,光化学,計算化学,反応中間体化学,有機ケイ素化学など広い研究領域に高い見識を有しておられます。近年,有機エレクトロニクスの分野で太陽電池などに応用すると200%の効率を得ることができる可能性を秘めているために,高い関心を集めているSinglet Fissionについてお話し頂くことができました。教員,学生のみならず,学外の方々にもご参加いただきました。
講演題目:シングレット フィッション(Singlet Fission)
日時:2014年10月27日(月)16:10~17:30
場所:千葉大学工学部4号棟319会議室

   


 

共生応用化学科新入生オリエンテーリング 平成26年4月1,2日

 共生応用化学科では毎年、入学式前に斎藤教授が先頭に立って、新入生を率いて岩井海岸一泊の合宿旅行に行っています。(菘の会でも少し援助しています)今年も、総勢100人あまりでバス二台に分乗して行きました。合宿では藤浪教授、星教授や山田准教授からのありがたい大学生の心得などのお話があり、玉入れ、そして恩師・両親へのお礼状を書いたりしました。皆様、お疲れ様でした。

オリエンテーリング写真 オリエンテーリング写真

オリエンテーリング写真 オリエンテーリング写真

 

 

2014.2.17,2.18,3.13,3.14に開催の共生応用化学科コロキウムの協賛を行いました

  昨年,千葉大学とイスタンブールにあるトルコを代表する工科大学であるイスタンブール工科大学(ITU)とイリディス工科大学(YTU)の間で締結された研究および学生交流協定により,千葉大学の外国人研究者招聘プログラムで二人の教授をお招きし,お話し頂く機会を作ることができ,多くの教員・学生にご参加いただきました。また,今後の学生相互派遣について相談する事が出来ました。今年度は2週間程度,千葉大学からのみの学生派遣でしたが,次年度は1~2カ月程度,相互に派遣することになりました。
   


工学研究科長表敬訪問時の写真,左 YTUのArsu教授,右 ITUのÖztürk教授

講演者:Professor Dr. Nergis Arus (ネルジス アルス教授)
(Department of Chemistry, Faculty of Science and Letters, Yildiz Technical University)
Nergis Arus教授は2006年よりイリディス工科大学の教授を務めています。光ラジカル開始剤や増感剤に高い見識を有し,最近ではチオキサントン誘導体を有機エレクトロニクスへ展開する研究が高く評価されています。

日時:2014年2月17日(月)14:30~16:00
場所:千葉大学工学部7号棟227会議室

講演題目:最近のラジカル光開始剤の開発動向(Recent Developments in Radicalic Photoinitiators)
日時:2014年2月18日(火)16:10~17:30
場所:千葉大学工学部4号棟319会議室
講演題目:チオキサントンーナフタレン,チオキサントンーアントラセンで末端修飾したオリゴチオフェンの合成と光物理,電気化学的性質(Synthesis and Photophysical, Electrochemical Properties of Thioxanthone-naphthly and thioxanthone-antracene end capped oligothiophenes)

講演者:Professor Dr. Turan Öztürk (テュラン オズテュルク教授)
(Department of Chemistry, Faculty of Science, Istanbul Technical University)
Turan Öztürk教授は2003年よりイスタンブール工科大学の教授を務めています。材料合成で用いるBerzellus 試薬や,Lawesson試薬について高い見識を持っておられ,アメリカ化学会Chemical Review 誌に総説を発表しています。これらの反応を用いて合成した縮環チオフェン誘導体を有機エレクトロニクスへ展開する研究は高く評価されています。

日時:2014年3月13日(木)10:30~12:00
所:千葉大学工学部4号棟319会議室
講演題目:ベルツェリウスおよびローソン試薬の有機合成への利用(Use of Berzellus and Lawesson Reagents in Organic Syntheses)
日時:2014年3月14日(金)16:10~17:30
場所:千葉大学工学部4号棟319会議室
講演題目:縮環したチオフェン;ジチエノチオフェンとチエノチオフェン(Fused Thiophenes; Dithienothiophenes and Thienothiophens)

 

2014.3.19開催のProf. Dr. Hang Hubert Yin 講演会を後援

日 時:2014年3月19日(水) 14:00ー15:00
会 場:工学部4号棟 319会議室
化学的ツール(例:ペプチドや低分子)を用いた臨床研究・創薬化学指向のケミカルバイオロジーを研究されています。専門外の方達にも分かりやすくご説明いただきました。

Hubert

 

2013.11.11開催のマチュー・サランヌ博士講演会を後援しました

日 時:11月11日(月)14:30-15:30
会 場:自然科学総合研究棟1・大会議室
講演者:Dr. Mathieu Salanne
講演題目:分子動力学シミュレーションによるスーパーキャパシタの充電機構の理解(Understanding the charging mechanism of supercapacitors from molecular dynamics simulations)
講演概要:日本学術振興会(JSPS)の短期招聘制度によりパリ第6大学から来日中のMathieu Salanne博士によるセミナー講演を千葉大学工学部化学系同窓会・菘の会の後援の下で実施しました。同博士は最近、イオン液体とカーボンナノチューブからなるスーパーキャパシタの分子動力学計算によって、キャパシタの増強効果の新たなメカニズムを提案しており、その成果に大きな注目が集まっています。この機会に研究者のみならず広く学生にも最新の研究手法をご紹介願い解説を加えて頂きました。当日は、工学系・理学系の教員・学生約30名が集い、盛んな議論が交わされました。

 

2013.10.4に開催された共生応用化学科コロキウムの協賛を行いました

日時:2013年10月4日(金)16:10-17:30
場所:工学部4号棟319会議室
講 演 者:Prof. Yusuf Yagci(Department of Chemistry, Istanbul Technical University)
講演題目:光開始による主鎖および段階的成長重合反応 (Photoinitiating Systems for Chain and Step-Growth Polymerization)
講演概要:Yagci先生は高分子学会国際賞の受賞者でもあり親日的な研究者です。本年3月に共生応用化学科が中心となってIstanbul Technical Universityと千葉大学間の,研究と学生交流協定を締結した際には先方のコーディネーターとしてご尽力いただきました。学会のため訪日された機会に本学科にお招きし,光の係るClick 反応や原子移動ラジカル重合反応(ATRP)などの基礎から応用例にいたるまで,盛りだくさんのお話を学生にもわかりやすくご講演いただきました。教員,大学院生を中心に多くの方の御参加を頂きました。

2013.8.8に開催された共生応用化学科コロキウムの協賛を行いました

日時:2013年8月8日(木)15:30-17:00
場所:工学部4号棟319会議室
講 演 者:Dr. John H. K. Yip(Associate Professor, Department of Chemistry, National University of Singapore)
講演題目:金属-多核芳香族炭化水素化合物を用いた新規有機金属発光体および増感剤の開発(Developing Metal-Polycyclic-Aromatic-Hydrocarbons into a New Class of Organometallic Emitters and Photosensitizers)
講演概要:太陽光光エネルギー変換の基本構成要素として集光アンテナ,エネルギーおよび電子伝達リレーや触媒中心などがある。アントラセンなどの多核芳香族化合物は高いモル吸光係数や発光能を有するが低い酸化還元安定性を示すことが課題である。そこで,これらの分子を金属(Pt,Auなど)と結合させ,堅牢な有機金属発色団として合成し,発光体,増感色素や光触媒としての有用性を検討した成果について講演した。 以上,本講演では有機金属錯体の基礎から応用例にいたるまでお話いただきました。教員,大学院生を中心に多くの方の御参加を頂きました。

共生応用化学科新入生オリエンテーリング 平成25年4月2,3日

 共生応用化学科では毎年、入学式前に斎藤教授が先頭に立って、新入生を率いて岩井海岸一泊の合宿旅行に行っています。(菘の会でも少し援助しています)今年も嵐の中、総勢100人あまりでバス二台に分乗して行きました。合宿では藤浪教授、唐津教授や中村助教からのありがたい大学生の心得などのお話、そしてバイオマテリアル研究室の先輩、2年生たちに助けられ、とても楽しい旅行となったと思います。
 引率の先生方、学生さんたち、お疲れ様でした。

2013オリエンテーリング

訃報

元合成化学科教授の飯田弘忠先生が平成25年5月14日(火)にご逝去されました。享年91才。ここに ご冥福をお祈りし、謹んでお知らせいたします。

 

訃報

3月14日に元応用化学科教授 持永純一先生が、4月3日に元応用化学科教授 小嶋邦晴先生が逝去されました。 ご生前のご功績に敬意を表し、心からご冥福をお祈りします。

 

2013年3月22日(金)に卒業式、そして3月26日(火)に修了式がとり行われました。

M2学長賞  DrSugaya

写真左は学科で行われた修了式の様子です。菘の会では毎年修了生にささやかな記念品を贈呈しています。学部長賞を受けたM2の小林彩華さんと、右は同じく学部長賞受賞のドクターの菅谷紗里さんです。ドクターの修了生はこのような千葉大学アカデミックガウンを着て修了式を行います。
卒業、修了された皆さん、おめでとうございます。これからの活躍を期待しています。

 

共生応用化学科新入生オリエンテーリング 平成24年4月 

 共生応用化学科では毎年、入学式前に斎藤教授が先頭に立って、まだ右も左もわからない新入生を率いて一泊の合宿旅行に行っています。(菘の会でもちょこっと援助しています)今年度も総勢100人あまりでバス二台に分乗して岩井海岸まで行きました。合宿では唐津教授や小島准教授からのありがたい大学生の心得などのお話、そしてゲーム大会やバイオマテリアル研究室の先輩たちの一発芸などもあり、とても楽しい旅行となったと思います。みんな仲良くなれたかな?
 引率の先生方、そしてバイオマテリアル研究室の学生さんたち、お疲れ様でした。

綱引き

 

iGEM Chibaについて 参加している学生さんに報告して頂きました。H22.11月

私たちのiGEM活動について

私たちはiGEMという生物版国際生物ロボコンへの出場を目指して日々活動しています。大会の内容は生物工学の技術を駆使して生物の振る舞いをコントロールし、その機能性やデザイン性を競うというものです。私たちの活動内容を紹介すると、日中はディスカッションや実験が主ですが、夜は計画を練ったり、大会本部(ボストン)から届く課題について、皆でWeb会議をしたりしています。大会のルールとして、自分たちの実験内容をリアルにWiki(活動記録ページ)にアップすることが要求されているので、英語を読み書きする機会も多く、ちょっとたいへんです。iGEMではデザインしたものの新しさ、斬新さ、完成度を評価されます。それに応えるような作品は、ただ実験をしているだけで作れるモノではありません。実験台で試薬を混ぜている時間よりも、顔をつきあわせて議論する時間がずっと多いのが、私たちの活動の特徴です。チーム内だけでなく、他の大学のiGEMチームとの情報交換も頻繁におこない、お互いにテーマの進展を助け合うのも、この活動の楽しいところです。また実験については、遺伝子組み換えから、菌類の培養、μモルオーダーの試薬の調整など、学生実験では味わえないような内容が多くあり、さらに実験手順も先輩方のアドバイスの下、自分たちで考えます。iGEM活動を通して、”研究活動”とはいったいどういうものなのかを、学部生のうちに体で感じることができます。これはもちろん生物分野の配属先に限ったことではありません。実際にiGEMを経験した私たちの先輩方たちも、様々な研究室の配属先でこのiGEMでの経験を活かし多方面で活躍されています。

実験報告の内容を世話人先輩(iGEM経験者)とディスカッション

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実験風景:自分たちで作った遺伝子回路(仲間から情報を受け取り、蛍光タンパク質を合成する)を導入した大腸菌細胞の機能をチェック中

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プロジェクト内容について

30分後、1時間後、12時間後・・・。セットした時間に自動的にスイッチが入る「タイマー」は、電子機器などには欠かすことのできない基本機能のひとつです;どんなに有用な機能も必要な時に起動してくれなければ意味がありません。

一方で生物は物質合成や分解、化学通信および物質関知など電子機器に負けないような有益な機能を持っています。これらの機能を自由にタイマー起動するしくみ作りは大変重要であり、世界中の生物工学者が関心を寄せる重要テーマのひとつです。

私たちが2008年から継続して取り組んでいるのは、細菌どうしの化学通信機構を利用した、「集団で発揮する」タイマー機能です。このタイマーでは、「送信機細胞」がつくるシグナル分子を「受信機細胞」が感知して色変化を起こします。シグナル分子がじわじわと増えていき、ついに受信細胞が感じる濃度に達した時、色変化が起きます。この蓄積にかかる時間がタイマー時間となるわけです。

私たちは、細胞膜を自由に通過できる分子(アシル化ホモセリンラクトン群)をシグナル分子として用いることで、系内の何万もの細胞に「感じている時間」を共有させることができるように工夫をしました。こうして、細胞集団がばらばらに光り始めるのではなく、同時に、一糸乱れずアクションを起こすことができます。この「時間合わせ」機能を内蔵する新しいタイマー細胞を幾つも作ることが今年の目的です。私たちはこのタイマーを使ってアニメーションの作成にも挑戦します。

一番星みつけた:緑色の粒ひとつひとつが,化学物質を検出し緑に光る「センサバクテリア」細胞の集団(コロニ)。センサ感度が違えば,コロニの緑色蛍光の強さが変わる。

iGem3

 

渡辺昭次先生が生前送って下さった原稿(平成22年2月10日)

退官から最近まで

 僕は平成10年3月に定年退官いたしましたが、その後運良く、東京電機大学と成田赤十字看護学校の非常勤、ネオス株式会社の顧問と三箇所の仕事に恵まれ、とても充実した日々を過ごさせていただきました。平成20年頃に全部が2度目の定年となる最後までの約10年間、おかげ様で化学に携わる仕事を楽しくさせて頂きました事を、関係者の方々には深く感謝しております。
 まず、ネオス(株)ですが、滋賀県湖南市甲西町という工業団地にあって、京都からは遠く千葉県で言うならば、千葉と茂原程の距離にあります。月に1回2泊3日で水溶性切削油剤の合成を頼まれておりました。たとえ三日間でも効率よく実験すると結構うまい具合に合成できるものです。次の月に会社に行くまでに、性能テストをしてもらい、また新しいものを作るという繰り返しでした。研究内容は会社の許可を得て、いくつかの油の学会誌に掲載されております。
 会社に入ってまず感じたことは、研究所の中でも基礎研究部、応用研究部、分析などと幾つかの部署に分かれているのですが、それぞれの縦の線はよく連絡が取れているようでしたが、部署間の横のつながりがないように思えました。どこの世界にも派閥みたいなものがあるのでしょうか、効率よく情報交換したらもっとよい研究につながるのではと感じることもありました。また、研究員と営業の方の言い分も畑違いということからいろいろとあるようで、外から客観的にみていると会社組織も人間関係はむずかしいなあと思えてなりませんでした。
 次に、東京電機大学では1年生の一般化学を担当しました。僕は千葉大に在職中も教養部の授業を担当しておりましたのであまり困りませんでしたが、一般化学には物化、無機、分析、有機と全部入っているので、はじめのうちは、きちんと予習をして授業に臨んだものでした。しかしながら、テストをしてみますとびっくり、ほとんどが60点以下でした。苦労してなんとか合格点にしましたが、僕は点が甘いことで有名だったみたいです。しかしこれも仕方のない事だと思うのです。電機大の入試では数学と物理が主なので化学を高校で殆ど習っていない学生が多いからです。これも、ゆとり教育たる教育制度のひずみの1つではないかと思っております。
 さて最後に成田の看護学校の話となりますが、女子学生に囲まれて教鞭をとる事になるとは想定外の出来事であり、千葉大時代とは違った、のほほんとした空気の中で、心なごむ時間だった事がよき想い出です。
 このように3つの仕事をさせて頂き心身ともに充実した10年間でしたが、昨年の秋ごろより体調をくずし、病院で精密検査することとなりました。今だかつて入院の経験もなく健康だけには自信があったにもかかわらず、全く自覚症状がなかったのですが肝臓を患っており、化学療法で点滴により薬を体内に注入するという治療を現在も継続しております。
 副作用で頭にアンモニアがあがって意識不明になり、4回ほど入退院を繰り返しました。入院中は実際看護してくださるベテランの看護士さん達の機敏でテキパキとした対応にふれ、あの頃ののほほんとして天真爛漫だった皆さんも現場での経験を積み、どこかの病院でキリリとして日々患者とむきあっているのであろうか・・・と感慨深いものを感じております。今ではすっかり病院のお世話になっておりますが、縁あって、医療に携わる人材の育成にも少しばかりですが貢献できた事は本当によかったと思っております。
 以上が定年から現在までの僕の日常の軌跡のようなものをお伝えいたしました。僕の方は何とか元気にしておりますのでご安心下さい。卒業生の皆様には健康にくれぐれもお気をつけて過ごされますよう祈っております。

渡辺 昭次(工化第三回、昭和30年3月卒業)

 

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