有機化合物の機能は、医薬品の生理活性や、
有機ELや太陽電池材料の光学・電気特性など
様々です。
物質を集合させることも『合成』ととらえて
「合成から機能(利用)まで一貫して研究する」
を合い言葉に、21世紀に活躍する環境に調和
した有機合成としてさまざまな機能性分子の創
出を目指し、新たな物質の合成と機能について
研究しています。
(【最近の論文など】にGraphical Abstractも
つけました。そちらも参考にしてください)
1.環境に調和した有機合成反応および機能性超分子や分子集合体の合成法の開発
新しい構造や反応の開発は新しい化合物群を産
み、これまでにない機能を持った物質を生み出
す可能性を秘めていると考え、次の視点で有機
合成化学を研究しています。(1)環境負荷を
考え重金属でない元素(特に,ヨウ素や硫黄)
の特性を利用する有機合成。(2)天然材料の
アミノ酸を化学的に変換し環境適合型機能性分
子を合成する手法。(3)π電子系分子集合体の
分子配列や超分子化合物の高次構造制御に弱い
分子間力を取り入れ,3次元的な有機構造体を
合成(構築)する手法。
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2.非天然型アミノ酸からなる人工ペプチドの開発と分子認識化学
生命の維持に欠かせない酵素(ホスト分子)は、
弱い分子間相互作用で基質(ゲスト分子)を分子
認識しています。酵素機能を発現するためにペプ
チドは高度な3次元構造を有します。それら分子
システムを人工的に構築することを目的に、アミ
ノ酸を分子設計し新たな人工ペプチドの開発を行
っています。具体的には、酵素の分子認識モデル
の研究や天然にないヘリックス構造を形成し機能
を発現する人工ペプチドなどの超分子化学の研究
を行っています。
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3.π電子系機能性材料を基礎とした新材料の設計と開発
有機化合物は、π電子系を広げることでいろいろ
な光学的・電気的性質を持つようになります。新
たなπ電子系を構築することで、これまでを陵駕
する、または新奇な性質を持った物質を合成する
ことに取り組んでいます。具体的にはπ電子系に
ピロール環やチオフェン環のように窒素や硫黄と
いったヘテロ原子を組み込むことで、効率的な
蛍光発光物質や 光を吸収して利用するための色素
材料などの合成法と物性評価を研究しています。
さらに、あらたに見いだされた性質を与える原理
の解明にも取り組んでいます。
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